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グロース株とバリュー株の分類とコロナ後の投資判断は?

株で利益を出す方法として最も単純な方法は「安く買って高く売る」ですが、これがなかなか難しいもの。

安いと思って買った株が将来値上がりするとは限りませんし、高いと敬遠した株が次の日にさらなる高値を付けることもあります。

株を買うときにはチャートを漫然と見ているだけではなく、企業の性質をしっかり見極めることが重要です。

株式市場では、様々な会社の株が取引されています。

ここでは、投資ポジションの指標となるグロース株とバリュー株という2つの分類法についてみていきましょう。

1.グロース株とは

グロース株は、日本語で言う成長株です。

利益や売り上げがどんどん伸びており、将来株価の上昇が期待できる銘柄をグロース株に分類します。

革新的な技術を持つ企業や将来需要増が見込めるサービスを扱う会社の株は、グロース株になりやすいです。

グロース株のメリット

グロース株の魅力は、なんといっても株価上昇率の高さです。時に、株価は5倍、10倍に値上がりします。

世界一の自動車メーカーと言われている米国企業テスラはグロース株の代表的存在です。コロナパニックが起こった2020年初頭から株価が10倍以上になるという爆発的な値上がりを記録しました。

初期段階でグロース株の成長性を見抜ければ、大きなキャピタルゲインが期待できるでしょう。

グロース株のデメリット

グロース株を発行している会社は、多くの資金を事業の為に費やす傾向にあります。

その分、株主に配当金や株主優待品を分配する余裕がないことも多いです。

グロース株はインカムゲイン目的の投資には向かないということです。

また、グロース株は投資家の「この会社は成長するだろう」という予想によって値が上がっているところがあります。

そのため、PERやPBRといった投資尺度から見れば割高になってしまうかもしれません。

これは会社の売上や資産に見合わない過大評価がされているということなので、いつか株価が大きく下落する危険性もはらんでいます。

バリュー株とは

バリュー株とは、利益や売り上げに比べて株価が安いお買い得な株のことです。しばしば赤字でも値上がりを続けることがあるグロース株と反対に、業績が好調な割に株価が安いのがバリュー株です。知名度が低い会社の株や、成長性が期待できないと考えられている企業の株はバリュー株になる傾向があります。

バリュー株のメリット

バリュー株のメリットは、株価変動リスクを低く抑えられることです。元々割安なので、急激な下落を起こす可能性が低く、安定しています。また、配当金や株主優待制度が充実していることが多く、インカムゲインを大切にしたい投資家に向いています。

バリュー株のデメリット

バリュー株のデメリットは、キャピタルゲインの期待値が低いことです。株価が大幅に上昇する可能性はあまり見込めませんし、場合によってはずっと割安のままで売り時が分からないまま所有し続けざるを得ない可能性もあります。

コロナ禍におけるグロース株とバリュー株の値動き

コロナ禍におけるグロース株とバリュー株はどのような値動きをしたのでしょうか。

端的に言えば、コロナパニック初期はグロース株が大きく伸び、2021年に入ってからはバリュー株が持ち直してきた形です。

2020年3月には株全体が大幅に下落したものの、そこからのグロース株の巻き返しはTOPIXの伸び率を上回る物でした。

一方バリュー株の伸び方はさほど強くありませんでした。

コロナパニック直後は、リモートワーク系の企業や引きこもり需要など「コロナ禍だからこそ伸びる」銘柄に投資が集中したからだと考えられます。

逆にバリュー株にはコロナによって大きく減益が予想される、旅行、飲食、ホテル・旅館などが含まれており、投資家が買うのを躊躇するのは当然と言える状況でした。

明けて、2021年。全世界にワクチンが広まりました。

コロナを抑え込むことができれば、景気の回復に明るい展望も見えてきます。

コロナショックにより魅力を失っていたバリュー株でも、景気が正常化すれば業績改善が期待できます。

逆にバリュー株は買いつくされた状態で、伸び方がひと段落しました。

このような背景から、2021年はバリュー株に勢いがある展開が見られました。

コロナ後の投資判断は?

では、今後コロナの勢いが低下するにしたがってバリュー株が伸び、グロース株の勢いは衰えていくのでしょうか?

これは一概に言えることではありません。

大きな成長が見込めるグロース株は、超低金利時代の現在に資産を形成したい人にとってとても魅力的な商品だからです。

銀行に資金を預けるよりグロース株を買った方が大儲けできる可能性がある、と多くの投資家が判断すればグロース株は今後も伸び続けるかもしれません。

また今回のコロナ禍のような世界的経済危機でも、グロース株は値上がりが期待できることを証明しています。

「これからどんなことが起こるか分からない」と危機感を持っている投資家は、グロース株に大きな価値を置くのではないでしょうか。

一方のバリュー株は、アフターコロナで経済が元の形に戻ると考えれば割安なうちに買っておきたい投資家もいるでしょう。

コロナが終息し、金利が上がればバリュー株の波が来るかもしれません。

アフターコロナの経済情勢は、まだまだ読みにくく専門家でも投資判断が分かれるところです。

バリュー株、グロース株の特徴を理解した上で、自己資金内で無理のない売買を行うようにしてください。

※本記事の内容は、過去の株価値動きについて調査した上での筆者の予測です。

投資判断は投資者ご自身で行ってください。

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