用語解説

「FIRE」とは?株で早期リタイアはいくらで目指せるのか

現在、中高年層を中心に密かに人気が高まっている「FIRE」。若い人からの注目度も徐々に上がっており、現代の資産運用を理解する上で欠かせない概念になってきていると言えそう。

今回は「FIREとは?」その内容や、いかほどの行動でFIREを目指すことができるのかを、大まかに把握していきましょう。

「FIRE」とは何?

FIRE(ファイアー)とは、

  • Financial=財政上の
  • Independence=独立
  • Retire=退職
  • Early=早期

4つの頭文字を取った略語です。

要はセミリタイアを意味する言葉ですが、単純な「早期退職」ともまた違った側面があるのも事実。

単純な「早期退職」とは、そこそこ勤めた会社を早いうちに退職し、それまでの貯蓄や、受け取った退職金を切り崩しながら生活する方法を意味しています。

これに対して、「FIRE」は早期の経済的自立を目指して、計画的に、かつ積極的に投資運用を行う方法です。

退職をしても資金を切り崩すのではなく、元手は減らさないよう、運用益を上げながらの生活が前提となっているのです。

FIREでは経済的に自立することで仕事から解放され、自由度の高い生活をできますが、これを目指すのであればデメリットもしっかり把握しておいたほうが良いでしょう。

FIREのメリット・デメリット

メリットとデメリットがあるのはどの資産運用でも同じ。FIREになると、通常の投資にはないようなデメリットも出てきます。

FIREのメリット

FIRE最大のメリットは、早期退職……つまり「比較的若いうちに、働かなくて良い」ということになるでしょう。

仕事の荷重から解放されることの精神的メリットを魅力だと感じる人も多いのではないでしょうか。

FIREを上手に成功させれば、住む場所を選ばず、いつ、どこに移動しても良いですし、悠々自適のセカンドライフが待ち受けています。

FIREのデメリット

一方のデメリットで注意しておきたいことの1つが、元手となる資金の多さです。

FIREでは大きな元手を用意し、運用益によって実際の生活を回していくのですが、この元手となる金額は「年間支出の25倍」と言われています。

また、元手資金を4%の利率で運用すると、元手を切り崩すことなく生活費を捻出できる……

とする「4%ルール」もあります。これは、年間支出を元手資金の4%に抑えるということでもあります。

生活水準を高くしてしまえば、この4%を超えてしまい、生活そのものが破綻する可能性もあります。

つまり事前に十分な貯蓄を行い、さらにその上で、資金に見合った節約も必要になる。

自分一人ならまだしも、家族がいる、子どもがいる、学資金などが必要になる……

といった場合には、年間支出は大きな金額になりがちです。

仕事をするストレスはありませんが、資金繰りに対するストレスはある程度覚悟しておかなければならないのも、FIREのデメリットと言えるかもしれません。

みんな何歳くらいでFIREしてるの?

結構な資金が必要になると予想される、FIRE。

実際にFIREを成功させている人は、何歳くらいの年齢で早期リタイアを成し遂げているのでしょうか?

実は、FIREそのものは中高年から注目を受けているものの、実際に早期リタイアをする年齢は30代半ば~40代ということも多い様子。

つまり、そもそもがFIREを目標に稼ぎ、貯蓄を行っている若手がかなりいるということですね。

その気になれば20代後半でも実現できそうですが、収入が相当多くなければ、なかなか難しいでしょう。

反対に、バリバリと頑張って中高年でFIREを実現する人ももちろんいます。

年齢が高いからといって諦める種類のものではありません。

いくらくらいの資金があったらFIREを目指せる?

結局、FIREを実現するためには、どれくらいの資金があればいいのか?

というのは皆さんが気になるところかと思います。

さきほど少し触れたとおり、FIREに必要と言われている元手の金額は、年間支出の25倍。

例えばですが、年間の生活費が240万円だったとして、必要になる資金は単純計算をして「240×25」、すなわち6,000万円、ということになります。

ただし、ここには「1年間の生活費は240万円で問題ないのか?」という壁があり、

またさらに「この元本に対して、4%の利益を出し続けるための、自分に合った投資方法」というものも、必要になります。

しっかりと生活費を抑えたり、運用益を出せなかったりすると、破綻が待っているのみです。

できるだけ安心してFIREを……と思えば、仕事や投資などで退職前に1億円ほどの資金を用意することを考えたほうが良いかもしれません。

FIREでセカンドライフを満喫!

FIREは理想の生活のように思われていますが、なかなか厳しい側面もある様子。

しかし成功すれば、悠々自適にセカンドライフを楽しむ有効な手段です。

まずは自分の生活費がいくらなのか、用意すべき資金がどれくらいなのか考えるところから始めてみてはいかがでしょうか!

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