投資が失敗……。多くの人がそのとき、「一喜一憂」という心理状態にあることを知っていましたか?
投資の知識があるとか、ないとかよりも、株価によって一喜一憂してしまう、振り回される心理があるのです。
今回は「一喜一憂」の心理と株との関係を解説します。
目次
株価はトレンドで上下する
心理と株との関係を知るには、株がどうやって上下しているのかを知っておくと良いでしょう。
株価は実は、常に「トレンド」に支配されています。トレンドは一般的に「流行」という意味ですが、株式市場においては、株の趨勢ですとか、変動傾向のことも示す言葉ですよね。
売れ筋商品が流行に左右されるのと同じく、株の売買も、株式市場の趨勢に大きく支配されているものです。株価が高くなってくれば「もっと高くなるのではないか」という期待で株を買う人が増え、低くなってくれば「もうダメかも……」という気持ちになり、株を売る人が増える、という寸法です。
感情に支配されると高い株を買いたい心理に!
この、「もっと高くなるのではないか」あるいは「もうダメかも……」という感情に支配されてしまうと、高い株を買いたい心理に囚われてしまうため、注意が必要です。
もう少し詳しく解説しましょう。
一喜一憂をする人が、投資を始めたとします。購入した価格よりもその株が値上がりをした時は、喜びの感情に支配されて舞い上がります。場合によっては、株を買い足すかもしれません。このとき、人は「やっぱり値上がりした! 私の目に狂いはない!」と思っています。
ところが、この株が値下がりしてくると、不安で仕方なくなってくるでしょう。買値よりも株が安くなってきたりすると、心の中はイライラでいっぱいです。「もういいや! 損をする金額が大きくなる前に手放そう……」となって、株を売ってしまうかもしれません。
では、再度その株が値上がりしたらどうでしょう? 「うわあ、売らなきゃよかった! まだ値上がりしそう。また買おうっと」……そして、値下がりしたら「ええー! やっぱりダメだ! 売ろう!」
結果的に資産が目減りするような行動を繰り返している人は少なくありません。
アンテナを張りつつ感情を安定させて
投資に対して気持ちが熱くなりすぎたり、損をした分を取り戻そうとしたりして、つい借金をしてしまった……というケースだって、もちろんあります。感情に左右されすぎるのはそれだけ危険なことでもあるのです。
投資をするのであれば、アンテナを張り、新聞や株価のニュースなどで動向(トレンド)を掴むことは大切です。
しかし、それでいて感情は安定した状態を保つこともポイント。
「利益を大きくしよう」と考えれば考えるほど、損失が大きくなる世界でもあります。余剰資金が多くはないのなら、その分、手早く得をすることを考えるのではなく、着実に「安いものを購入し、高い時に売る」ことを目指さねばなりません。「高くなっているから買おう」ではなく、「値下がりしたから、買おう」でなくてはならないのです。
自分が成功したいと思った時こそ、欲張らず誠実に、投資に向き合うことが重要でしょう。
資産が減った時は誰かのせいにしないことが大事
投資をしていて、資産が減った場合、多くの人がそれを「(景気が悪いのだから)世の中のせい」、あるいは株であれば「(株価が下がったのだから)会社のせい」と考えてしまいがち。
ところが、基本的には株や投資は自己責任です。ですから、中には「自分の判断力が甘かったせい」と考える人もいます。
どちらが正解でしょうか?
答えは、どちらも正解ではありません。
「誰かのせいにしない」の「誰か」には「自分自身」も含まれていることを、忘れないでください。
資産が減ったのを誰かのせいにすることは、感情的になること。つまりそれは次の損失を招く引き金になるのです。
そうではなく、安定した感情のもと「淡々と見極める」ように心がけるのがおすすめですよ。