用語解説

積み立ての王道ドルコスト平均法とは?

積み立ての王道ドルコスト平均法とは?

つみたてNISAや老後資金の用意が人気になるにしたがって、投資で資産形成をしていく方も増えてきています。

デイトレーダーなどの特殊な例を除けば、基本的に資産形成は長期投資で行なっていくのが一般的ですね。そこでおすすめされるのが「ドルコスト平均法」と呼ばれる投資方法です。

そこで今回は、ドルコスト平均法のやり方やメリット、デメリットについて解説していきます。

基本的な内容から見逃しがちなポイントまで解説してきますので、全く知らない方だけでなく実践している方にも参考にしていただけますよ。

今回の内容を踏まえて、みなさんの投資方法を見直してみてくださいね。

ドルコスト平均法はどういう投資方法?

最初に、ドルコスト平均法がどういった内容の投資方法かを確認しましょう。「定期的に決まった金額で同じ株式(金融商品)を購入していくこと」をドルコスト平均法と言います。

ポイントになるのは、「定期的」「決まった金額」「同じ株式」という3点ですね。安くなった時に不定期に株式を購入している場合や、定期的に同じ金額で購入していても、毎回違う株式を購入している場合はドルコスト平均法にならないのですよ。

3つのポイントを押さえておくとドルコスト平均法の特徴を把握できるようになるので、このポイントを踏まえてメリットやデメリットを確認していきましょう。

ドルコスト平均法のメリットは?

ドルコスト平均法の最大のメリットは、株式の暴騰や暴落といった株式価格の変動リスクに対して対策ができることです。

同じ金額で積み立て続けることによって、暴騰した時には少なく、暴落した時には多く買うことになります。これによって、最終的に平均的な価格で買い続けたのと同じようにできるというがドルコスト平均法の考え方です。

例えば、1口2000円の金融商品を、毎月1万円で積み立てたとしましょう。仮に1口の値段が変わった時以下のように購入することになります。

  • 1ヶ月目に通常通り一口2000円:1ヶ月目の購入量は5口
  • 2ヶ月目に暴騰して一口5000円:2ヶ月目の購入量は2口
  • 3ヶ月目に暴落して一口1000円:3ヶ月目の購入量は10口

この場合、最終的には3ヶ月で17口購入したことになります。30000円で17口ですから、平均して1口およそ1700円で購入していることになります。

1ヶ月目で30000円分まとめて買うよりも、最終的には多く買うことができたわけですね。

このように購入する時期をずらしていくことで、安い時には多く仕込んで利益を出しやすくし、高い時期には少しだけ仕込んで被害を小さくするというのがドルコスト平均法の考え方です。

長い間投資を続けていると株価が大きく上下することも珍しくありませんから、そういったリスクを一括での投資より抑えられるのがドルコスト平均法のメリットになりますね。

ドルコスト平均法のデメリットは?

一方で、ドルコスト平均法も完全な投資方法ではありません。状況や投資スタイルによっては他の投資手法の方が良いこともあるのですね。

大きなデメリットとしては、以下の3つがあります。

  • 最終的に値上がりする投資先でなければ意味がない
  • 短期的な利益は出せない
  • 一時的には含み損になることもある

ドルコスト平均法は簡単に考えると「値動きに対して最終的に平均的な価格で購入する」投資手法です。そのため、どんどん値下がりするような投資先に対して投資しても利益は上げられません。価格が上下しながら長期的には上昇するようなものに対して使う投資手法というのを覚えておきましょう。

また、長い期間積み立てていく時に利用する方法ですので、短期間で利益を出したい時にはあまり意味がありません。短期間だと価格の上下があまり起こらないので、平均的な金額に落ち着く前に終わってしまうのですね。

購入額が平均的な金額に落ち着くのに時間がかかるということで、一時的に含み損になることがある、というのも注意しておく必要があるポイントです。

ドルコスト平均法は最終的な利益だけをみているので、途中で損が出ていたとしても基本的には損切りせずにそのまま積み立てていくことになります。利益だけを想定している損切りしてしまうとドルコスト平均法のメリットを活かせないままになるので、気を付けてくださいね。

まとめ

今回はドルコスト平均法について、投資手法としての考え方や、メリットデメリットを解説してきました。これまで積み立て投資をしていなかった方や、ドルコスト平均法を知らなかったという方は、今回の内容を参考に積み立て方法を考えてみてください。

ドルコスト平均法は投資タイミングを分散することで、値動きのリスクを抑える投資方法です。「定期的に」「決まった金額で」「同じ商品を」購入するというだけのやり方なので、仕組みが分かっていれば初心者の皆さんでも実践できる投資方法ですよ

値動きのリスクに強い一方で、投資先はきちんと選ぶ必要がある、長期の積み立て向きで短期の売買には向いていないといったデメリットもあります。常にドルコスト平均法を行うだけでなく、自分の投資方法や目的に合っているかを確認して利用してみてくださいね。

資産形成に長期間の積み立て投資が有効であると言われている以上、ドルコスト平均法は使い所の多い有用な投資手法になります。特徴をしっかり確認して、実際に使ってみましょう。

みなさんの積み立て投資を成功させるのに、今回の記事を役立てていただければ何よりです。

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